グルメ郷土料理伊達市(だてし)くらし料理レシピ
2024/02/22 15:00
北海道生活

北海道 郷土料理 歴史のレシピ|飯寿司 冬につくる発酵保存食

北海道の開拓が始まって150年以上、この歴史を支えてきた北海道の各地域の「歴史のレシピ“郷土料理”」。今回は、冬につくる保存食として長年愛されてきた「飯寿司」。海産物に恵まれた北海道では、あらゆる魚介で飯寿司がつくられている。

【伊達市】キンキの飯寿司 ~道内各地では鮭やニシン、ホッケ、ハタハタも

北海道 郷土料理 歴史のレシピ|飯寿司 冬につくる発酵保存食

冬の贈答品としても評判の「キンキのいずし」

冬になると北海道のスーパーに並ぶ「飯寿司」。寿司といっても、滋賀県の「ふなずし」や金沢の「かぶらずし」のような、魚と米の発酵食「なれずし」の一種である。もともとは東南アジアの山岳地帯で生まれた保存食で、日本に伝わってきたとされる。北海道へは北前船で伝わり、冬につくる保存食として長年愛されてきた。
豊富な海産物に恵まれた北海道では、鮭やニシン、ホッケやハタハタとあらゆる魚介で飯寿司がつくられている。伊達市(だてし)にある昭和2年(1927年)に創業の「中井英策商店」では、噴火湾(内浦湾)でキンキ(メンメまたはキチジとも言う)がよく獲れたことからキンキの飯寿司を商品化。脂がのった高級魚キンキの飯寿司は、冬の贈答品としても評判を呼んだ。
家庭で一般的につくられてきた飯寿司。昔の住宅は寒い台所や玄関、車庫などで熟成発酵してつくっていたが、現代では匂いや独特の酸味が敬遠され、なかなかつくられなくなった。しかし身近に手に入る材料で簡単につくれるのが飯寿司の魅力。冬の御馳走として、あらためてつくってみてほしい。

鮭の飯寿司のレシピ

[ 材料 ]


北海道 郷土料理 歴史のレシピ|飯寿司 冬につくる発酵保存食

材料は2リットル容器分
・生鮭 200g(半身の半分)2枚
・9%塩水 1kg(水910g+塩90g)
・米 1合
・糀(こうじ) 85g(米の4分の1が目安)

<A>
・酢  250cc
・塩  大さじ1
・砂糖  小さじ1

<B>
・人参 1本
・大根 1/6本
・生姜 1/3本

【1】


生鮭をよく洗い、9%塩水に一晩漬けておく。翌日取り出した鮭は水に10~15分漬けて塩抜きをし、一口大に切る

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【2】


米を炊き、(熱いご飯は糀が死んでしまうため)よく冷ましておく。この冷やご飯に糀を混ぜる

北海道 郷土料理 歴史のレシピ|飯寿司 冬につくる発酵保存食

【3】


Aの酢・塩・砂糖を合わせて調味液をつくり、【2】と混ぜる。(昔は酢を入れなかったが、保存のため使う家庭もある)

北海道 郷土料理 歴史のレシピ|飯寿司 冬につくる発酵保存食

【4】


Bを千切りにして容器に入れ、人参→生姜→大根→米飯→鮭→米飯の順にかさねる。1kgの水で重しをして冷暗所に3週間おく(真空にしないこと)。水が出てくるので、容器をひっくり返すなどして水抜きをして完成

北海道 郷土料理 歴史のレシピ|飯寿司 冬につくる発酵保存食

できあがった鮭の飯寿司は、冷凍保存しておくと酸味が抑えられる。

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