2025/05/08 15:00
北海道生活
北海道 バラの育て方|5月 無農薬栽培!木酢液の基本的な使い方
北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
文・写真:曽根 浩太さん(岩見沢市・いわみざわ公園バラ園)
無農薬栽培には予防が大切!木酢液の効果と使い方
4月は冬囲い外しから始まり、剪定やつるバラの誘引などであっという間に過ぎていきましたね。これから気温が上がってくると、虫や病気が出始めます。無農薬で育てる際には、問題が発生してからではなく、予防していくことが重要です。
今回は、無農薬栽培の基本的な「木酢液の使い方」について説明していきたいと思います。
◆木酢液の主な効果・使い方
「木酢液」は木炭を作る際に出た水蒸気を冷やしてできた、燻製のような香りがする黄赤褐色の透き通った液体です。主な効果としては害虫忌避効果、殺菌効果、生育促進、土壌改良効果などがあります。散布頻度は、週に1回が目安となります。

散布の様子。農薬ではないのでマスクなどは使用せけずに作業している。パッケージに記載の希釈倍率は守ること!
●害虫忌避効果
木酢液の独特な香りを嫌がる虫が寄りつかなくなります。アブラムシもその一つです。効果を高めたいのであれば、トウガラシ入りやニンニク、ハーブなどが漬け込まれた木酢液を使用するとよいでしょう。既存の木酢液に漬け込んで、自作することもできます。
●殺菌効果
バラ園では剪定時に地際で太い枝を切った際や、がん種病のこぶを取り去った際に傷口に原液を噴霧しています。原液の場合は強い酸性なので、通常の散布には使えませんが、消毒として株元にかける程度なら問題ありません。
●生育促進や土壌改良
木酢液は有用微生物のエサになります。そのため、病害虫よりも有用微生物を増やすことにつながり、植物が健康になります。植物が健康になると、病害虫への耐性も高まるので、結果的に生育促進へとつながります。
木酢液はさまざまな商品が出ています。できるだけ良質な商品を選び、記載されている希釈倍率を守って使用してください。

無農薬栽培のバラが元気に咲く「いわみざわ公園バラ園」の7月の様子
いわみざわ公園バラ園 ニュース
10月までの毎月「ばらゼミ2025」を開催中!
毎年好評の「ばらゼミ」を10月まで開催しています。毎月、第3または第4土曜日の日程です。バラの基本知識から手入れの仕方、越冬準備まで、座学と実演を行ない、基本から実践まで学べます。
講師はローズグロワー 古舘安奈さん(※6月はバラ園スタッフが担当)。北海道でのバラの育て方などをプロから教わることができ、自宅の庭づくりにも役立ちます。現在はバラを育てていなくても、知識が増えることでバラの観賞も楽しくなりますよ。
各回とも10時~12時、参加は無料です。定員は40名、各回ごとに事前申し込みが必要です(岩見沢市民以外も参加が可能です)。必要な講座だけ受講することもできます。
【「ばらゼミ2025」日程・内容】
※1・2回目は終了
③ 5月17日(土):病虫害対策の考え方
④ 6月21日(土):スタッフが一番花を語る回
⑤ 7月16日(土):夏越しと秋バラに向けての準備(中透かし剪定 屋外実演)
⑥ 8月17日(土):バラの増殖と香りの話 (挿木 室内実演)
⑦ 9月24日(土):来年に向けての土壌改良と移植準備
⑧ 10月19日(土):冬囲いいろいろ (支柱 屋外実演)
「ばらゼミ2025」の詳細は、いわみざわ公園バラ園HP( http://www.iwamizawa-park.com/ )より確認してください。

6月、バラ園にスタッフによる講座(過去開催の様子)
プロフィール
曽根 浩太
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
Instagram iwamizawa_rosegarden
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