2025/05/23 17:00
北海道生活WEBスタッフ
札幌・樹齢200年の天神藤!天神山緑地でフジの花と香りを感じて
札幌市豊平区にある「天神山緑地」の“藤棚”が、そろそろ見ごろ!という噂を聞きいて、仕事が早く終わった平日の夕方に足を運んでみました。わりと近所に住んでいながら、じつは天神山緑地の藤棚を見に行くのは初めての私……。実際に見た藤棚は、とにかく圧巻でした!

藤棚から無数に垂れる、美しい藤(フジ)の花房
天神山緑地と樹齢200年の「天神藤」
「天神山緑地」は、札幌市豊平区の平岸地区にある標高89mの天神山に広がる緑地です。園内には日本庭園、梅林、桜林があり、春の桜や梅の景勝地としても親しまれています。そして、桜や梅の花が終わると 続いて楽しませてくれるのが、美しい“藤(フジ)の花”なんです。


標高89mの天神山に広がる天神山緑地
「藤棚」とは、藤のつるを這わせて、たくさんの花房が美しく垂れ咲く姿を鑑賞するための棚のこと。頭上に垂れ下がり、淡い紫色の花が咲く様子はなんて幻想的…! 藤の花のシャワーを浴びているかのような、美しい空間が広がります。
藤棚はつるが伸びると緑のカーテンとして日よけの役割も果たし、暑くなり始める時期に涼やかな空間を演出してくれるという、実用的な効果もあるんですね。

藤棚から垂れ咲く様子は、花のシャワーのよう
天神山緑地の藤は、なんと樹齢200年を超える北海道最古の藤です! 明治時代に開拓で入植した先人が盆栽として持ってきたものを、この場所に植えたといわれています。藤は日本の固有種ですが、じつは北海道には自生しないんです。そう考えると、この「天神藤」の存在はとても貴重ですね。
ちなみに、この藤を「天神藤」と名付けたのは、昭和44年にここを訪れた当時の札幌市長なのだそうです。

奥に見える立派な幹。1本の天神藤から咲く花
立派な幹から伸びた枝葉は約25メートル四方におよび、圧巻の大きさと見応え。この美しい藤の花すべてが1本の「天神藤」から咲いたものだなんて、樹齢200年の生命力とその神秘を感じずにはいられませんね。
天神山緑地の藤棚の見ごろは今週末!5月24・25日頃
うっとりと観賞していたところ、たまたま管理の方がいらっしゃってお話を伺うことができました。
開花時期は、例年5月下旬~6月上旬とのことですが、近年は気温が高く、藤の開花も早まっているそう。本日(5月22日)時点でほぼ満開に近い状態で、「まだ咲き進むとしても、今週末が見ごろだと思いますよ。5月末にはもう散り始めてしまうかもしれない…」とのことでした。満開の藤棚を楽しみたい方は、今週末がおすすめです!

藤(フジ)は、マメ科・落葉つる性木本。つるを伸ばして年々成長し、20~30cmの花房を付ける。一つひとつの花は、蝶のような形をした 蝶形花と呼ぶらしい (写真:2022年・花好きのスタッフが撮影)
とはいえ、散り始めの藤も風情があるもの。舞い落ちる藤の花びらが絨毯のように敷き詰められる光景も、また違った美しさがあるのではないでしょうか。

散った花びらが絨毯のように広がる (写真:2022年・花好きのスタッフが撮影)
北海道の短い春の中で、貴重な藤の花を楽しめる天神山緑地。ぜひ足を運んでみてくださいね!
(「北海道生活」WEBスタッフ)