2025/06/14 11:00
北海道生活WEBスタッフ
札幌都心に誕生!屋上庭園「So-En TERRACE」で癒しのひととき
札幌市中央区の桑園エリアにある「エア・ウォーターの森」のビルの屋上に、都市型庭園「So-En TERRACE(桑園テラス)」がオープンしました! カラフルな花々と木々の緑に癒される、都心のオアシスです。
オープン初日はオープニングイベントも開催され、新しい庭園のお披露目にはぴったりの青空が広がっていました。

都市型の屋上ガーデン「So-En TERRACE(桑園テラス)」

オープニングイベントが5月に開催され、オープンを楽しみしていた近隣の皆さんがたくさん訪れた
都心の空に浮かぶ、花々と緑に包まれるオアシス
「エア・ウォーターの森」は、およそ100年前から北海道でガスを提供し、産業や暮らしを支えてきた「エア・ウォーター」の新拠点です。所在は札幌市中央区北8条西14丁目の桑園エリア、イオン札幌桑園ショッピングセンターのすぐそばにあります。
ビルの1階からエレベーターで屋上に上がると、そこは札幌都心でありながらも草花と木々の緑、そして青空が広がる、まさに「空中オアシス」。高層マンションに囲まれた場所だからこそ、低層ビルの屋上を活用した緑豊かで開放的な空間に、思わず息をのみます。


屋上ガーデンに出ると、緑と花に囲まれた開放的な空間が広がる
森を育てる100年構想とガーデンデザイン
オープニングイベントでは、「エア・ウォーター北海道」の庫元(くもと)達也社長からの挨拶がありました。
1929年創業の北海酸素株式会社を前身に、まもなく100年を迎えるエアー・ウォーター。「札幌からスタートした会社として、『エア・ウォーターの森』は北海道の社会課題解決の場にしたいという思いでつくりました。高層マンションに囲また環境にあるので、あえて低層ビルにし、屋上も緑化して活用したいと考えました。周囲があっと驚くようなことをしたかったんです」と屋上ガーデンについて話し、「今はまだ若い苗木たちも、エア・ウォーターが100周年を迎える頃には立派な森になっているだろう」と、長期的なビジョンを示されました。

「エア・ウォーター北海道」社長・庫元達也さん。オープニングイベントでの挨拶の様子
そして、ガーデンの監修を担当したのは、帯広在住のガーデンデザイナー・佐藤未季さん。イギリスの世界最高峰のガーデンショー「チェルシー・フラワー・ショー」で金賞を受賞したほか、最近では恵庭の「はなふる」や北広島の北海道ボールパークFビレッジのガーデンデザインも手がけている、北海道を代表するガーデンデザイナーです。

ガーデンデザイナーの佐藤未季さん
未季さんは「So-En TERRACE」について、「さまざまな人がつながる、優しいコミュニティの場になればと考えています。また、『エア・ウォーターの森』が“新たな発想やチャレンジ、融合を生み出すイノベーション施設”なので、このガーデンも“好奇心やインスピレーションを刺激する場”になるようデザインしました」と話し、「これからどう利用していくかは、皆さん次第。自由に森に遊びに来る感覚で、みんなで森を育てていきたい」という言葉が印象に残りました。
\So-En TERRACE/
多彩なゾーニングでさまざまな表情を持つガーデン
屋上ガーデンは、方角によって日当たりや適している植物が違うため、それを上手に活用してさまざまな雰囲気を持つよう設計されています。
*南側:ミーティングガーデン
インスピレーションが湧くよう、見て楽しく、元気が出るようなカラフルな花色を中心に植栽しているそうです。この日は濃いピンク色のチューリップが見ごろを迎えており、足元に咲く可愛い小花との組み合わせが素敵でした。

南側:ミーティングガーデン

春はチューリップと小花、白いオキナグサなどが咲く。春から秋まで花が咲き続くようデザインされいる
「夏には黄色い花に変わり、約2週間ごとに異なる花が咲き続いていくように設計しています。春から秋まで花が絶えない庭になります」と未季さん。ちなみに、こちらのキュートな庭は、未季さんとパートナーを組むランドスケープデザイナー・柏倉一統(かしわくらかずと)さんがメインで担当されたとか。
この区画には野菜を植えるスペースもあり、野菜植えのイベントも行なわれるそう。

屋上のガーデンを手がけたお二人、佐藤未季さんと柏倉一統さん
*北側:シェードガーデン
東西をグラス類の植物でつなぎ、屋上への入り口の裏側にあたる北側の庭は、落ち着いた雰囲気のシェードガーデンに。「ベンチでお弁当を食べたり、ほっと一息ついてクールダウンできる場所です」と未季さん。日陰にも強い、シックな雰囲気の植物が選ばれていました。


春は3種類のスイセンと柔らかな色彩の花々が咲く。夏には日陰向きの植物が茂り、落ち着きのある空間をつくり出す

腰かけるスペースも設けられており、近くに花と緑を感じられる
ビルを囲む生物多様性の1階ガーデン
また、1階のベースエリアにも、「エア・ウォーターの森」のビル正面と周りをぐるりと囲む花壇があります。このときはオレンジとピンク、紫などのチューリップの花色が鮮やかでした! 行き交う人の目を引くよう、季節ごとの花であえてカラフルな配色にしているそうです。


通り沿いには、春のチューリップなど色鮮やかな花が咲く


ビル正面のエリアは、緑に包まれたような空間
「1階ガーデンは、生物多様性というこれからの地球の在り方を踏まえ、背の高い樹木、中木、低木、草花という4つのレイヤーで庭を構成し、都会の森を表現しています」と未季さん。樹木には虫や小鳥も訪れ、都心にいながら森を感じられる空間になるそうです。

オープニングイベントでは、未季さん本人によるガーデンガイドも行なわれた
石畳のような部分は、「雨庭」と呼ばれるレインガーデン。石と砂利と土で構成され、大雨の際に水を地中に流して水はけをよくする役割を持っています。「グリーンインフラという手法で、北広島のボールパークでも挑戦的に取り入れたものです。水害の少ない北海道ではあまりなじみがなかったのですが、気候変動が進む近年では、北海道でも考え始めなければならない取り組みです」。都市型庭園だからこその挑戦でもあります。

普段(雨天以外)は石と砂利でとても乾燥しているため、植物選びが難しく、乾燥に強い種類が植栽されている。デザイナーならではの苦労も
「So-En TERRACE」ガーデンサポーターを募集中
「So-En TERRACE」では、ガーデンサポーターを募集中です! 月2回程度、ガーデンのお手入れを一緒に行なう仲間を募集しています。「地域の森・庭の成長を一緒に見守っていってほしい」と未季さんは言います。
ハーブガーデンで育てた野菜を使ったお料理ワークショップなど、さまざまな企画も検討中とのこと。緑豊かな環境を生かしたコミュニティづくりの場としても発展していきそうです。

ガーデンのお手入れを仲間と楽しみながら行なう、ガーデンサポーターを募集中! 写真は、施設内の希望者のみで野菜苗などを植えたときの様子(写真提供:エア・ウォーター北海道)
桑園エリアという札幌の都心部に、これほど広々とした緑地空間が誕生したことに驚きました。特に印象的だったのは、「100年後の森」を見据えた長期的なビジョン。今はまだ小さな苗木も、少しずつ成長して、いつか立派な「森」になる日を想像するとワクワクしますね。
また、単に美しいだけでなく、生物多様性やグリーンインフラといった環境配慮の視点が取り入れられていることも、これからの時代にふさわしい取り組みだと感じました。
これから季節ごとに表情を変える庭園の様子に注目していきたいですね。
また、「エア・ウォーターの森」のビル1階は自由に立ち入れるエリアとなっており、屋内にいながら観葉植物の緑に囲まれた公園のような雰囲気です。


屋内も緑に囲まれた心地よい空間
「エア・ウォーター」が手がける野菜や畜産物を使ったメニューを提供するレストラン・カフェ「EUREKA(エウレカ)」もあり、コーヒーやソフトドリンク、多彩な洋食を楽しめます。テイクアウトもできるので、屋上庭園で小休憩やランチを楽しむのもよさそうですね。


レストラン・カフェ「EUREKA」でアイスコーヒーを注文してひと休み。価格もリーズナブルなのが嬉しい
北海道の短い夏、咲き誇る花々の中でランチやミーティングができる空間に、ぜひ一度足を運んでみてください!
「北海道生活」WEBスタッフ)

●エア・ウォーターの森
屋上庭園「So-En TERRACE」
住所/札幌市中央区北8条西13丁目28-21
アクセス/桑園駅より徒歩約8分
駐車場/あり(40台・有料) ※イートイン利用の場合1時間無料
WEB/https://airwater-souen.jp/