2025/05/30 15:30
北海道生活
ポタジェ|身近な野草!草餅や草団子で知られる「ヨモギ」の魅力
草餅や草団子などに用いられる爽やかな香りの「ヨモギ」。どこでも見かける身近な野草ですが、知っているようで知らない“ヨモギの魅力”をご紹介。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、花や果樹など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。
文・写真:藤井 純子さん(ピュア・ポタジェ代表)
草餅や草団子などに用いられる爽やかな香りの「ヨモギ」は、日本全国どこでも見かける最も身近な野草。今回は、知っているようで知らない“ヨモギの魅力”をご紹介したいと思います。

春の訪れを感じますね。5月中旬に撮影
「ハーブの女王」と呼ばれるヨモギは、キク科ヨモギ属の多年草で、地下茎で繁殖します。ヨモギの根は、周囲の植物の生育を阻害する物質を分泌するアレロパシーを持つため、菜園の中に見つけたら駆除するのがおすすめです。
ヨモギの葉の表面は緑色で、裏は腺毛といわれる白い綿毛に覆われているのが特徴です。日本に育っているヨモギの種類はおよそ30種類以上あるといわれ、全国でさまざまな種類のヨモギが見られます。
ヨモギとして最もよく見かけるのは「カズザキヨモギ」で、草餅などに利用されます。お灸で用いられる艾(もぐさ)は、「オオヨモギ」の茎裏にある腺毛を集めたものなのだそう。

食用に利用される「カズザキヨモギ」。左が葉の表面で、右が裏面
ヨモギは、春先の柔らかい新芽を草餅に利用する印象ですが、新芽には綿毛が多く食感が悪いため、もう少し大きくなった初夏ごろの葉を利用すると、色と香りもよく仕上がるそうです。

柔らかい新芽は綿毛が多い
ヨモギの栄養
ヨモギにはビタミンやミネラル、食物繊維などが含まれ、血圧やコレステロール値の改善、デトックス効果、アトピー性皮膚炎の改善などさまざまな薬効あり、漢方としても利用されています。
※キク科植物のアレルギーの方、持病をお持ちの方や妊娠中、授乳中の方は医師に相談の上利用しましょう。

白玉粉にヨモギペーストを練り込んだ「ヨモギの白玉団子」
Recipe ヨモギペーストのつくり方
【1】
流水でヨモギを洗い、土やゴミなどを取り除きます。太い茎は取り除きましょう。

流水できれいに洗い、土やゴミなどを取り除く
【2】
鍋に湯を沸かし、塩を一つまみ入れてからヨモギを加え、1~2分茹でます。ザルにあげ、冷水に浸けます。

冷水に浸けるときれいな緑色に
【3】
水気を軽く絞り、細かく切ってからフードプロセッサーやすり鉢を使ってペースト状にします。

水気を軽く絞る

刻んでからフードプロセッサーなどでペースト状に
ペースト状にしたヨモギは小分けにして冷凍しておけば、お菓子づくりや料理などに重宝しますよ。おかゆや蒸しパンづくりにもおすすめ。

おはぎの生地にヨモギを混ぜ、中にあんを入れた「ヨモギおはぎ」。左/あん、中央/ヨモギ、右/ゴマ
そのほかのヨモギの活用法
◆優しい香りのヨモギ茶
収穫したヨモギを流水で洗い、天日干しにしたら、厚手の鍋やフライパンなどで5分ほど弱火で乾煎りします。乾煎りしたヨモギの茶葉をティーポットや急須などに入れ、熱湯を注いで3~5分蒸らします。

ふんわりと優しい香りのヨモギ茶。乾燥させたヨモギを利用
我が家では、前回ご紹介したドクダミ茶やゴボウ茶、ヨモギ茶などを日替わりでマイボトル(ステンレス製の保温水筒)に入れて持ち歩き、水分補給をしています。
◆お風呂に浮かべてハーバルバス!

干したヨモギを利用してハーバルバスに!
ヨモギはアイヌ語で「ノヤ」と呼ばれ、食用のほかに風邪や止血、虫歯治療、虫よけや神事など、さまざまな方法で活用されていたそうですよ。
乾燥させたヨモギをお茶パックに詰め、お風呂に浮かべて楽しむハーバルバス。爽やかな香りに癒されながら、これからの季節は夏風邪の予防や虫よけなどにも利用できてよさそうですね。
とても身近なヨモギを、ぜひ暮らしの中にも取り入れてはいかがでしょうか!
プロフィール
藤井 純子
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。
HP ピュア・ポタジェ
Instagram pure.potager
YouTube ポタジェ『心と身体を癒す庭へようこそ』 @lifewithpotager401