文・写真：高林 初さん（苫小牧市・観光庭園 イコロの森）

◆咲いた花を切って、次の花を楽しもう

【  タイプ別 花切りのポイント 】

①次々に咲くタイプ

 　例：サルビア・ネモローサ、ゲラニウム、アストランティア、ネペタなど

・咲き終わった花穂だけを順次切り取ると、次のつぼみが開きやすくなる。

・こまめな切り戻しで株全体が引き締まり、再度の開花も期待できる。

②咲き揃って終わるタイプ

　例：オダマキ、ベルゲニア、プルモナリア、ジギタリス、プリムラなど

・花茎全体が咲き終わったら、茎の根元から切り取るのが基本。

・タネを採取しない場合は早めに切って、株の消耗を防ぐ。

③花後の姿も楽しめるタイプ

　例：ギレニア、アスチルベなど

花が終わってもシードヘッドが美しいものは、すぐに切らずに観賞用として残すことも。

④球根類

　例：チューリップ、スイセンなど

・咲き終わったら、園芸種のチューリップは花後の種子を切り取る。

・小球根やスイセンはそのままでも構わない。

・葉は黄色く枯れるまで切らずに残しておくこと。光合成で球根に栄養を蓄える大切な時期。

・葉が自然に枯れてきたら取り除き、そのまま土の中で休眠させる。ただし必要な種類に限り、球根を掘り上げて乾燥・保管。

◆初夏の「補植」で庭に変化を

【 補植の楽しみ方 】

・空いているスペースに、グラス類を差し込むと変化を生み、軽やかな雰囲気に。

・ダリアの苗を植えて夏以降の華やかさをプラス。腐植を多くすき込むのがよく咲かせるコツ。

・日陰になりがちな場所には、ヒューケラやフウチソウなどもおすすめ。

◆支柱の追加はさりげなく

【 ナチュラルな支柱の工夫 】

・自然素材を使うと、支柱自体が目立ちすぎない。

・剪定した花木の枝を使って交差させると、自然な印象にすることもできる。

・グラス類や低めの宿根草を手前に植えて、支柱を背景に隠すように配置すると、支柱が目立たない。

【 チェックしてみよう！ 】

いま、花盛りなのはどの宿根草？

　例：バプティシア（ムラサキセンダイハギ）、ゲラニウム、サルビア、ネペタ、アルケミラなど

・植えたばかりの苗の様子。根付いているか、葉色はよいか？

・風や雨で傾いた植物はないか、支柱が足りているか？

高林 初

英国Writtle College（リトルカレッジ）にてガーデンデザインを学ぶ。現在は、苫小牧市にある「イコロの森」の勤務、ヘッドガーデナー 。設計からメンテナンスまで庭づくりの幅広い経験をもとに、宿根草ガーデンの管理・栽培等を担当。

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