2025/07/30 15:00
「北海道生活」編集部
絶景の宿|芸術家にも愛された、然別湖の絶景を訪ねて。
帯広から車で約1時間、然別湖にたたずむ老舗の温泉ホテル。
かつてあった光風館という旅館が火事で焼失、1950年(昭和25年)に北海道拓殖鉄道が引き継ぎ、1995年(平成7年)に「ホテル風水」としてリニューアル、現在に至る。

湖畔の遊歩道にあるベンチは、湖を眺める特等席。
然別湖は大雪山国立公園で唯一の天然湖であり、その透明度は北海道でもトップクラス。
オショロコマの亜種であるミヤベイワナなど固有種が生息し、春と秋の解禁日には多くの釣り人が訪れる。
白雲山や天望山(通称くちびる山)に囲まれ、手つかずの稀少な自然が今なお残される神秘の湖。その美しい風景に魅せられ、観光客のほか芸術家たちも訪れるようになった。

函館出身の画家・田辺三重松も然別湖に魅了されたひとりで、絶景へのオマージュが描かれている。
その中のひとり、陶芸彫刻家の九谷興子はホテルの経営者が同郷だった縁で、石川県からこの宿へと訪れた。結局この地が大変気に入り一年近く逗留、多くの作品を館内に残している。今でも石川県との縁を大切にしており、レストランでは石川県の地酒も用意しているそうだ。

石川陶芸彫刻家として世界的に知られる九谷興子の作品は、ロビーやレストランなど館内各所に展示されている。

然別湖を目の前に、星空も眺められる展望露天風呂。
大浴場は男性用「天風」と女性用「彩雲」があり、それぞれ展望露天風呂付き。
源泉100%かけ流しの温泉で、とくに秋は一面の紅葉、満月の夜には湖面に映る月が息をのむほど美しいという。
国立公園の中にあり、人工物がいっさいないことから、満天の星を見ながらの湯あみは特別な時間となることだろう。

茶褐色のにごり湯は、源泉100%掛け流しの天然温泉。
ホテルの近くには「然別湖ネイチャーセンターが」あり、この地の魅力を知り尽くすプロのアウトドアガイドが対応してくれる。然別ならではの自然体験を楽しんでみよう。

二方が然別湖に面した特別室は各フロアに全5室用意。