2025/08/22 15:00
北海道生活
北海道 バラの育て方|8月 近年増えている病害虫、対応は早めが肝心
北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
文・写真:曽根 浩太さん(岩見沢市・いわみざわ公園バラ園)
バラの大敵~ゴマダラカミキリ(テッポウムシ)
毎日のように暑い日が続きますね。北海道の夏は涼しいと思っていた昔が嘘のようです。これだけ暑いと虫も活発になってきます。年々虫の被害は増えてきているような印象です。
今回は、その中でも近年特に増えてバラに被害を与えているゴマダラカミキリについて説明したいと思います。

ゴマダラカミキリの成虫。捕まえようとすると地面に自ら落ちていくので注意!
ゴマダラカミキリ(幼虫:テッポウムシ)はカミキリムシ科の一種で、北海道で温暖化とともに増えてきた害虫です。バラ以外にもシラカバやカエデなど、さまざまな樹木に被害を与えます。バラの被害では、成虫はシュートを好んでかじり、かじられた箇所は折れやすくなります。せっかく伸びたシュートが折れてしまうので、とても悲しい気持ちになります。

成虫の食害。食べられるとかなり折れやすくなる
しかし、それよりも被害が大きいのが幼虫のテッポウムシです。成虫が株元に卵を産み、孵化すると幹の中を食べ荒らし、一株枯らしてしまうこともあります。被害を小さくするために、早期の発見と駆除が必要です。成虫に対しては見つけたら即捕殺しましょう。

テッポウムシに食害された株。対応が遅れ、まるまる一株枯れてしまったバラ

テッポウムシ、幹の中を食べ荒らす。成虫になると1cm程度の丸い穴をあけて外に出ていく
幼虫のテッポウムシは、幹の中からオガクズのような糞を株元に出します。糞は小さい穴から出すのでわかりにくいですが、穴を見つけたらそこから殺虫剤を噴霧し駆除します。
株に対してのダメージが大きいので、毎日のパトロールが欠かせない相手です。対策として、株元の雑草が繁茂していたりすると入りやすくなるので、株元はきれいにしておきましょう。

テッポウムシの糞。オガクズ状の糞が株元に盛り上がっていたら注意!
プロフィール
曽根 浩太
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
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