2025/09/10 18:00
「北海道生活」編集長
やぎさん取材日記|「海の家」で「やまの会」の朝ごはん
ただいま発売中の「北海道生活」秋号の巻頭特集は、「おいしい北海道」。
「朝ごはんのおいしい宿」を数軒ご紹介していますが、その中の一軒を取材しに、せたな町へ行ってきました。

朝ごはんのおいしい宿。
そこは、せたな町の名物・三本杉岩の目の前にあります。

「民宿 海の家」という、何の変哲もない海の民宿ですが、実は長年つとめていた女将さんが亡くなり、2018年に代替わりをしているのです。
詳しくは誌面に書いていますので要約すると、この宿を継いだのが自然農法に取り組む富樫一仁さん・真理さん夫妻。
せたな町に移住して、体にやさしい作物をつくろうと志を同じくする「やまの会」を仲間と結成。彼らの姿は、大泉洋主演映画「そらのレストラン」のモデルとなりました。
その「やまの会」のリーダー・富樫さんが「海の家」のオーナーになるという、不思議なご縁になっているんです。
映画の準備から協力させていただいたので、この宿にも何度かお世話になっていました。

宿についたのは夜。
民宿の夜ごはんといえば定番の和定食ですが、現在の女将の真理さんから「シェフが中華の料理人だったので、中華の定食も選べるようになったんですよ!」というので、今回は中華定食を選んでみました。
見た目も豪華なうえに、富樫さんたちが体にやさしい食材にこだわっているので、まるで薬膳中華のように体にやさしいものばかり。

せいろを開けると、でっかいシイタケが入っている……と思いきや、「これシイタケじゃないんですよ。中華まんなんです」と真理さん。

裏を向けると、まるでシイタケという、細部まで凝ったつくりです。
これが中華まんとは恐れ入りました。

中を開けると、肉や五目野菜がたっぷり。思わずビールを頼んでしまいました(笑)。
ほかにも富樫さんが「このへんで一番うまい」と絶賛する麻婆豆腐、富樫さんのお米(時期によっては信頼のできる近隣の生産者)の中華粥など、おいしいものでいっぱい。
海の宿というと海鮮のイメージですが、中華で夜ごはんというのはなかなかないので、とっても楽しい食事ができました。

この日は晴天で、運がよければ真っ赤な夕陽が見える日があります。
その昔、せたな町のお祭りで八神純子さんが真っ赤な夕陽をバックに「思い出は美しすぎて」を(当時と同じキーで!)歌い上げた時は思わず大号泣したことがありました……。
(その時にPAを担当したのも、元ミュージシャンの富樫一仁さんでしたね)
「やまの会」の朝ごはん

さて、朝から「朝ごはん」の撮影です。
こちらの朝ごはんは、「やまの会」の食材を使い、足りないものも近隣の生産者さんなど顔の見える食材がほとんど。
朝から体にいいごはんが味わえます。

撮影時、ごはんは「よしもりまきば」の大口義盛さんの無農薬ななつぼし、そして納豆は富樫さんの「秀明ナチュラルファーム北海道」の大豆大豆の「パンダ納豆」。味噌汁も富樫さんの味噌で、添えられているのは富樫さんの醤油なんです。
オンラインショップでも買えますが、これはうれしい!

野菜は「シゼントトモニイキルコト」、ソーセージは「Farm Blessed Wind」の黒豚など、「やまの会」や知り合いの生産者さんの食材が使われています。
以前泊まった時は、近くの「マーレ旭丸」の船長から「イカがとれたぞ!」とイカ刺しが出たことも。
いま道南はなかなかイカがとれないので、貴重な体験だったと思います。

撮影の最後は富樫さん夫妻と三本杉の前で。
「久しぶりに会いました!」というのはご夫婦のこと(笑)。
一仁さんは朝から田畑で、真理さんは「海の家」の女将で、ほとんど顔を合わせていなかったそうです。
それぞれお忙しいですが、それぞれ素晴らしいお仕事をされているので、わざわざ取材に来ていただいてありがとうございました!

さて、このあとは車で20分ほど南へ行き、せたなの海を見下ろす「サッカムセタナイ」へと撮影に行きました。
親切にしていただいた高橋さん夫妻、ありがとうございます!
こちらの記事については、あわせて「北海道生活」秋号をご覧くださいね♪
(「北海道生活」編集長)