2025/09/26 18:00
「北海道生活」編集長
札幌の小さな森で、手打ちそばと、chimaの歌♪

札幌市の盤渓(ばんけい)といえば、円山公園から山間へと車で10分ほどのエリア。
冬にはスキー場がオープン、かつて札幌でも歴史あるワイナリーがありました。
その盤渓の中にある小さな森「にむの森」で、chimaさんのライブと手打ちそばのイベントがあるというので行ってきました。

100年以上手つかずの状態だったという「にむの森」。
「ここから500年後には原生林にしていこう」と有志の「にむ倶楽部」のみなさんが、森で遊びながら、森を大切にしています。
ここが札幌とは思えないほど静かな森に、手づくりのツリーハウスが建っていました。

代表の横山さんは、ツリーハウスにこだわりすぎて2軒も建ててしまったそうです!
ここで泊まったり、お酒を飲んだりと、「大人の秘密基地」として楽しんできた仲間たち。
「にむ」とはアイヌ語で木に登るという意味なんだそうですが、名付けた後でアイヌの方から少々言葉がちがっていると聞いた話など、この森についていろんなエピソードを聞かせていただきました。

その秘密基地に潜入! 実はツリーハウスは初めて見るので、わくわくしながら登ります。
映画で見るツリーハウスよりも、かなり本格的な丈夫な家になっています。

内部はロフトになっていて、はしごを登ったところで寝泊まりもできるんだそうです。
これがすべて手づくりというのだからすごい。

冬には薪ストーブで暖を取ります。
木の上で火をたくというのは意外ですが、冬のツリーハウスも楽しいそうですよ。

さて、ツリーハウスの下では、幌加内高校にいた時代そば打ち全国優勝を獲ったという石川萌佳さんがそばをつくっていました。

「ゆでたてのそばは、まず塩で食べてください」というので、塩を付けて食べてみたところ「おいしい!」
そばの風味がダイレクトに伝わって来て、塩でじゅうぶんなお味でした♪

さらに、そば湯も絶品!
少し冷えて来た秋風を感じながら、あたたかくて、とろりとしたそば湯もおいしくいただきました。

石川萌佳さんは、そばの産地・幌加内(ほろかない)にある高校にいたご縁から、今でも幌加内のそばを使ったお菓子などをつくったり、そば打ち体験など様々な活動をされています。
行く場所によっては、そのまちで生産されているそばを打つこともあるそうです。
そばを始めとする食材や農業にかかわり、地域を元気にする会社「トヅキ」を立ち上げたという石川さん。
その活動の一環として、chimaさんと「そばと歌」のイベントを企画してまわっているということです。

chimaさんといえば、大泉洋さんなどで知られる札幌のタレント事務所クリエイティブ・オフィスキューに所属しているので、イベントで見かけているという方もいるでしょう。
先日もオフィスキューのファンイベントに出ていたそうですが、華やかな舞台だけでなく、小さなライブハウスや、何より野外でのchimaさんのライブはとっても素晴らしい。
これまで、牧場や、畑や、いろんな場所で聞いてきましたが、chimaさんの歌は自然の中に調和して、とてもきれいに響くのです。

近くには川が流れていて、川のせせらぎの音、そして小鳥のさえずり、風の音、木々が揺れる音……自然の音とともに、chimaさんの透明感のある歌声が響いて、心が洗われるようです。

小さな体から出ているとは思えないほど遠くまで響く歌声、アコースティックギターの音色が、森の中で一体となって流れています。
「あー、しあわせだなあ」と、しみじみ聞き入ってしまいました。
そして大阪出身ということもあり、ほんわかした関西弁でのトークも楽しい。
最近では、ご両親が大阪から北海道に移住してきたという驚きのニュースも聞きました。

イベントの最後には、石川さんの蕎麦粉でつくったお菓子「幌菓」のスコーン各種やクッキーなどを販売。
おそば、おいしかったな~の記念に買って帰りました。

そしてchimaさんの新譜「Julis Bird」も、心地よかったライブの余韻とともに家に持って帰りました。
写真家 文月ふみさんとのコラボレーション企画なんだそうです。
「にむ倶楽部」では、森を大切にして、ともに森で遊び親しむ会員を随時募集しています。
会員になると、森での様々なイベントに参加したり、ツリーハウスやキャンプ、サウナもできますので、詳しくはHPをご確認ください。
(「北海道生活」編集長)
