2026/03/22 11:00
「北海道生活」編集長
小樽の隠れ宿「蔵群」がリブランドオープン
小樽市のJR小樽築港駅より車で約15分、朝里川温泉郷の中にひっそりとたたずむ「蔵群(くらむれ)」。
2002年にオープン、「北海道生活」でも取材させていただいた大人のための隠れ宿が、20年以上の時を超えてリブランドオープンしました。
「小樽リトリート 蔵群 by 温故知新」として生まれ変わったこの宿は、小樽の“憧れの宿”としての上質感はそのままに、地域のいいものを積極的に取り入れ、より滞在する心地よさを追求した宿となっていました。
オープン時の際には、中山真琴の設計による静謐で上質感のある宿として有名になり、オールインクルーシブの先駆けという贅沢な過ごし方も話題になっていました。
「蔵群」の客室は全19室、6タイプある客室はすべてリニューアルされたそうで、1室ずつプライベート感を大事にした空間を活かしながら、どのように新しくなったのか興味しんしんです。
客室は中山真琴によるセルフリメイクにも注目
温泉メゾネット和洋室
メゾネットの和洋室は、1階のゆったりとしたリビング、階段をあがった上にもくつろぎの空間が広がっていました。
ゆったりしたベッドには、1948年(昭和23年)創業の札幌「野口染舗」によるブドウ染めのクッションが。
天然染めグロジェクト 「BetulaN (べチュラン)」によるもので、小樽「OSAワイナリー」のワイン醸造で出た搾りかすで染めているそうです。
布団にかかっているのは「Watanabe Textile」製のブランケットで、手ざわりもやわらかくあたたかみがあります。
札幌「野口染舗」のブドウ染めの座布団やクッションを配置
畳が落ちつく座敷にも、「野口染舗」による座布団が使われ、まるで自宅にいるようにくつろげます。
内線は昔なつかしい黒電話というのも、ちょっとかけてみたくなりますね。
すべての客室には温泉付き。
湯冷めしにくいと評判の温泉は、お湯から上がった後も汗がひかないほどぽかぽかするそうです。
半露天温泉ジュニアスイート(バリアフリータイプ)
今回のリニューアルにあたっては、設計者の中山真琴さんが各部屋に合わせて家具を新調したとのこと。
それぞれ個性のある空間に最も合うよう、ソファからテーブル、チェアまで設計されたそうです。
半露天温泉スイート
客室によっては壁を取り払ったり、家具の一つ一つまで変えたりという、中山真琴さんによるセルフリメイクといっていい改装は、この建物を知り尽くしているからこそ、しっくりとおさまり居心地の良さを高めていました。
自宅のようにくつろげて、別荘にいるような非日常の滞在を約束させてくれる空間。
さりげなく置かれているうつわも、小樽市銭函で工房を営む中島知之さん、札幌「円山陶房」の大石俊久さん、といった近郊の作家の手によるものや、「北海道生活」でもご紹介した小樽「群青」セレクトの岩見沢・こぶ志焼など。
コーヒーも「北海道生活」でご紹介した「宮の森アルケミストコーヒー」のオリジナルブレンドで、客室には北海道各地のつながりを感じるもので揃えられていて、まさに「地域のショーケース」といっていいでしょう。
ルームキーには、札幌市に工房を構える木工作家・清水宏晃さんによるタモ材を使用、エントランスのしつらえに使われた木材と合わせているそうです。
上質な空間で、北海道でつくられたもの、素材のいいものに出会えるのも、この新しい「蔵群」の魅力だと思います。
大浴場はサウナと酵素風呂の貸切風呂にリニューアル
客室すべてに温泉についているのだからと、男女二つあった大浴場をがらりと「貸切風呂」に変えたのが、今回の大きなリニューアルポイント。
二つある貸切風呂のうち、一つは「貸切温泉&サウナ」に。
セルフロウリュで、思う存分サウナが楽しめます。
内湯は水風呂に、外湯は心地いい空気を感じられる露天風呂になっています。
もう一つは「酵素風呂・スパ」として、大高酵素プロデュースによる「発酵おがくず風呂」に。
酵素風呂には大高酵素によるスパも併設。新しい「蔵群」のコンセプトにある「醸す」という言葉通り、
ここで過ごす方は、内側から外側まで、酵素の力で生まれ変わることができそうです。
二つの貸切風呂には、いずれも客室同様に、ニセコのビューティーケアブランド「ICOR」 のシャンプー、コンディショナー、ボディソープと、スキンケア一式が用意されています。
自分の部屋に籠っていたくなる宿ですが、せっかく泊まるなら、長く滞在してサウナ・酵素風呂の両方を利用するのもおすすめです。
「醸す」がテーマの食と、小樽近郊のワインを
オールインクルーシブの宿は創業以来のままに、食事処では北海道の食材を中心にした食事が、道産ワインとともに楽しめます。
こちらも「醸す」をコンセプトに、地域で醸造されたワインや地酒、発酵食品を使った料理が随所に取り入れられていました。
小樽と近郊のまち、余市町や仁木町は、北海道を代表するワイン産地であり、
ドメーヌユイ、仁木ヒルズワイナリー、OSAワイナリー、ドメーヌモン、など小規模のワイナリーの希少なワインもオールインクルーシブで楽しめるとは、ワインを飲むのが目的の宿としても重宝されそうです。
余市の木村農園のピノノワールを使った千歳ワイナリー「北ワイン」や、札幌「藤野ワイナリー」など、北海道各地の選りすぐりのワインも揃っています。
ノンアルコールも「北海道TEA」ブランドなど、大人が食事と楽しめる飲み物を厳選。
取材当日は北海道産昆布を使用した「KOMBUCHA」もあり、アルコールが飲めない人も満足できるラインナップでした。
レセプションで特別にブッフェ形式で提供された、料理の一部も紹介しましょう。
北海道産小麦のパンにこだわる札幌「ブーランジェリーコロン」のバゲットは、ニセコチーズ工房やアンジュドフロマージュのチーズと合わせて。
道外からお越しのお客様には、イクラ丼もうれしいメニューのひとつです。
黒毛和牛などワインに合う食材も取り入れているので、心ゆくまでワインと楽しめそう。
朝里川温泉にある「トーイズスウィート(TOYS Sweet) 」のプリンも初めていただきました。
地元のお菓子屋さんも紹介してもらえて、ちょっとトクした気分になります。
北海道産合鴨にんにくオリープ煮と大高酵素を使って炊いた十勝産牛蒡の和え物
こちらは、小樽にある「UNGAPLUS(うんがぷらす))」のオリジナル商品“北海道缶シリーズ”の 「合鴨ささみのニンニクオリーブ煮」に、大高酵素で炊き上げた十勝産ゴボウを合わせた一皿。
夕食時には先付 「発酵八寸プレート」の一品として、大高酵素や十勝産ゴボウを使ったメニューが提供されるそうです。
燻製の香りの鹿チップスとブルーチーズのピザ
こちらも「UNGAPLUS」のオリジナル商品“燻香シリーズ”の「燻香鹿肉薄切りチップス」を使ったピザは、エゾシカ肉の深い味わいとブルーチーズの濃厚な香りが重なり合う一皿。
ルームサービスでは道産ゆり根とブルーチーズの薄焼きのメニューもあるそうです。
「UNGAPLUS」は他にはないオリジナルの小樽みやげや作家作品が揃っているので、宿泊の際にはぜひ立ち寄ってみてくださいね。
小樽といえば観光客でにぎわう小樽運河周辺や寿司屋通りをイメージする方も多いと思いますが、
あらためてじっくり訪れたい大人の旅では、朝里川温泉のこの隠れ宿にじっくり滞在してみて、
地元でつくられたいいものにふれ、旅のつづきに工房や作り手を訪ねてみるのがこのうえない体験になると思います。
せっかく訪れるなら、こうした上質宿を拠点に、いい旅をしてみてくださいね。
(「北海道生活」編集長)
小樽リトリート 蔵群 by 温故知新
小樽市朝里川温泉2-685
予約・お問い合わせ/ kuramure@okcs.co.jp
交通/ JR小樽築港駅より車で15分(駅より無料送迎あり・要事前予約)
HP/ https://otaru.by-onko-chishin.com/
