2023/12/09 10:30
niwacul
北海道 バラの育て方|11月 凍害回避!雪囲い前の作業「切り戻し」
北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
文・写真:曽根 浩太さん(岩見沢市・いわみざわ公園バラ園)
凍害にあわないための準備作業! 雪囲いを施す前に行なう「切り戻し」
![北海道 バラの育て方|11月 凍害回避!雪囲い前の作業「切り戻し」](https://sumahononakani.com/tjn/upload/img_reports/detail/434856be6f002a3138a6d6bce9143ac2a00e889df46d507bf579d80bf2d24f096572cb90acca1.jpg)
今シーズンの最後を彩ってくれた、秋バラの咲く風景 (いわみざわ公園バラ園)
囲いを施す前に行なう「切り戻し」は、任意の高さで切り揃える作業になります。株の高さを揃える「水平切り」になりますので、芽や樹形を考えることはありません。剪定の場合は、芽が伸びていく方向や樹形を見て考慮しながら切りますが、切り戻しはその必要ありません。切り戻しと剪定は、別の作業であるという認識を持つとよいでしょう。
切り戻しの目的は、早く雪の中に埋まり、寒風を防いで凍害を回避すること。ですので、そもそも凍害にあいにくい品種やつるバラ、株倒し法で越冬するようなバラには行なわない作業です。
![北海道 バラの育て方|11月 凍害回避!雪囲い前の作業「切り戻し」](https://sumahononakani.com/tjn/upload/img_reports/detail/708b0008d5e873f2e64673b5bce2510949a1a9346ea6b47158aabb18df4573216572cb90b0aa4.jpg)
切る際は、ハサミを地面と水平にするようにして切る「水平切り」で行なう
切り戻す高さは、地域ごとの積雪の深さなどにもよりますが、岩見沢にある当園では高さ80cmに切り戻すようにしています。この作業を行なうことで、翌年以降の芽数が少なくなることを考えると、できるだけ高い位置で枝を残して切りたいですね。また、一律にすべてのバラを切り戻すのではなく、品種や系統よって切る・切らないを判断して、その後の葉むしり、囲いに備えてください。
![北海道 バラの育て方|11月 凍害回避!雪囲い前の作業「切り戻し」](https://sumahononakani.com/tjn/upload/img_reports/detail/7d7c3bf0c8ab1aec243cd13c105cce459979cc7aa73f683868844461e15602336572cb90b6466.jpg)
作業前。切り戻しを行なう前は、それぞれの株の枝が伸び、高さもばらばら
![北海道 バラの育て方|11月 凍害回避!雪囲い前の作業「切り戻し」](https://sumahononakani.com/tjn/upload/img_reports/detail/5dbde5fa3ee6006ccdc8ca35f13411e287386c01fbfea370374eeba3263807cb6572cb90bcf87.jpg)
作業後。切り戻しを行なった後は、だいたい80cm程度の高さに揃っている
プロフィール
曽根 浩太
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
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