2024/03/09 10:30
niwacul
ハーバルライフ|クラフトづくりにも役立つ植物選び
このコーナーでは、北海道札幌市内に在住のハーブ研究科が、庭で育てているハーブを使って、気軽に・手軽に楽しむアイデアをお伝えしていきます。 ハーブは“癒しの緑”としてはもちろん、キッチンや暮らしの中でも大活躍!
取材協力:かりの あさの さん(herbarist・ハーブ研究家)
2月中旬に2桁台まで気温が上がったのがウソのようですね…。このまま春になるかと一瞬思いましたが、毎年この時期は暖気のあとに再び冷え込みがやってくます。春に向かって行ったり来たりしている感じですが、3月に入り皆さんもそろそろ植物選びを始めている頃でしょうか。
今回は、クラフトづくりにも役立つ植物選びをご紹介しましょう。
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花材が揃えばオールシーズン楽しめるスワッグ
スワッグやリースづくりなど、秋になる頃に花材集めをスタートすると、思うように好みの植物が手に入らないことが多いです。そこで、花のシーズンを通して庭の植物を収穫したり、お花屋さんも利用して花材となるドライフラワーを準備しています。
私がスワッグやリースをつくる際に、多用し重宝している植物がいくつかあります。
まずは、エリンジウム。セリ科の宿根草です。庭に一株植えておけば、シルバーがかった葉色とくすんだ青色の花が、鮮やかな花の引き立て役となって雰囲気を落ち着かせてくれます。葉先が尖っているので少しチクチクしますが、ドライフワラーにも向いています。
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庭から収穫したものやお花屋さんで購入したものを随時乾燥させて、ドライフワラーの花材をストックしていく
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ドライフラワーにしたエリジウム
エリンジウムの花だけをドライフラワーにするなら、首元からカットすると次々と茎の脇芽から蕾(つぼみ)が上がってくるので、庭で咲く花も長く楽しめます。ドライフラワーにしても退色しづらく、重宝しますよ。
エリンジウムと似ていますが、ルリタマアザミも素敵です。キク科の宿根草です。同じく葉先がトゲトゲしているので、扱う際には少し気をつけましょう。まん丸い可愛らしい花は、小さな花の集合体。早めに花を摘んで乾燥させると、崩れにくくなります。退色もしづらく、ありがたい花材です。
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ルリタマアザミ。小さな花が丸く集まって咲く
いろいろな花色が欲しいときに役立つのは、一年草のジニア。「百日草」とも呼ばれる強健種です。庭で咲く様子も、ドライフラワーにしても素敵な花材です。
一重咲きよりも、八重咲きなどの花びらが多い品種がドライフラワーにはおすすめです。ジニアはほかの花材に比べると、退色が少し早いように感じます。
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八重咲きのジニア。庭では秋遅くまで咲いて彩りを維持してくれる
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ジニアとルリタマアザミを使ってつくったクリスマスイメージのリース。リボンはトウモロコシの皮を裂いて利用
アジサイの花もリースなどによく使われますが、ヤマアジサイのように小ぶりな花でも、造形の美しい花姿が個性的なリースに仕上げてくれるので大好きです。
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ヤマアジサイは花色が退色し、紅葉し始めた頃に収穫する
リースやスワッグづくりには、やはりバラは欠かせませんね! 大量にバラを使います。そのため庭のバラでは全然足りないので、庭は見て楽しむ用と割り切って、クラフト用にはお花屋さんから購入してドライフワラーに。ローズヒップは庭から収穫したものや、知り合いのお庭からもいただいたりして準備しています。
バラの花をドライフラワーにする作業が始まると、いよいよクラフト制作のシーズンが来た!と、気落ちが引き締まります。
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バラを大量に用意してドライフラワーに。リースにバラが入ると豪華さが増す
色のグラデーションをヤマアジサイ、バラでまとめると、ナチュラル感のあるリースに仕上がりますよ。
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ヤマアジサイ、バラ、松ぼっくりのリース
エキナセアもクラフトに使えます。丈夫な宿根草なので、宿根草ガーデンには欠かせない植栽の一つですね。
エキナセアの花びらはきれいなドライフラワーにならないのですが、花芯のシードヘッドがドライに向きます。丸く茶色いシードヘッドが作品の引き締め役となり、私はよく利用しています。
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エキナセアの茶色いシードヘッドをクラフトに利用
庭でどんどん伸びるツルマサキは、剪定する度に「何かに使えないかな…」と模索していたとき、リースの花材として試作してみたところ予想以上の仕上がりに。風化もさほど早くないことがわかりました。
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ツルマサキのリース
ブドウの蔓(つる)の土台に、ツルマサキを束ねてワイヤーでくくりつけています。立体感のあるリースに仕上がるので、大切な花材の一つとなっています。
夏から秋にかけて伸びたつるをカットすることも多いと思うので、そのまま使用して飾ることもできますよ。ナチュラル感のある空間が生まれます。
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ウッドデッキの入り口に設けたフェンスを、ツルマサキが覆うようにしてつるを伸ばす(写真奥)
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カットしてリース花材に。グリーンシーズンの庭の素敵なアクセントにもなる。サイズ感も自由に楽しんで!
シロタエギクは、シルバーのやわらかな葉が庭で活躍する一年草。秋に冬支度をする際に株ごと抜いてしまうので、ぜひ花材として使ってみてほしい植物です。ローズヒップとの組み合わせは大変人気があります。
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シロタエギクとローズヒップのリース
シロタエギクをベースに、ピンクや黄色のムギワラギクなどを加えて、メルヘンチックに仕上げるのもおすすめです。ムギワラギクはカサカサとした花の質感がドライフラワーに向いています。
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シロタエギクとムギワラギクのリース
庭の花風景の一つとして楽しんだ植物を、クラフトの花材に再利用できるのは、ガーデナーならではの楽しみ方ですね。乾燥させたドライフワラー花材は、新聞紙などで包んでからダンボールに入れ、暗所で保管しておくとよいでしょう。
庭で育てているタイムは、リースやスワッグづくりに利用するのは難しいですが、石鹸づくりの飾り付けにぴったりです。タイムは殺菌作用が高く、貼りつけて石鹸を仕上げる講座は、毎年人気がありますよ。今年も講座の開催を予定しています。
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庭のタイム。可愛い小花も咲かせている
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タイムを飾りに使って石鹸の仕上げ
リースなどのクラフトづくりはまだ先のことのように感じますが、春のスタートに合わせて花材になる花やグリーンを庭に迎えて(植えて)おけば、植物のある暮らしをオールシーズン楽しむことができます。
プロフィール
かりの あさの
herbarist・ハーブ研究家。北海道札幌市内に在住。ハーブやアロマの指導員などの資格を有し、30年以上植物と向き合い得た知識・経験をもとに、企業のアンバサダーや商品開発に携わる。また、さまざまな講座開催や公共の場での「みどりのまちづくり」のサポートなど、幅広く「ハーブのある暮らしの魅力」を伝えている。かりの あさのHP「ハーブまるごと活用生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「karinoherb」も。
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