2024/03/25 10:30
niwacul
ハーバルライフ|春はもうすぐそこ! 花・香りのよい植栽に役立つハーブ
北海道の庭にも、春はもうすぐそこです。今回は、我が家のハーブの庭のこと、花・香りのよい植栽に役立つハーブなどをお伝え。
このコーナーでは、香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。
取材協力:かりの あさの さん(herbarist・ハーブ研究家)
雪解けが進み、春が近づいてきています。
近年は温暖化の影響で真冬でも雨が降り、北海道の庭では「バラや宿根草が無事に越冬できるのか…」など心配ごとが増えてきましたが、雪解けが進んでマイナス気温も緩んでくれば、ちゃんと春はやってきます。
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我が家のハーブの香りがあふれる庭
我が家の庭では、春一番に咲き出すのはブルーのブルンネラ。一面を絨毯のように埋め尽くして咲く姿はとても美しく、その様子を眺めるために何度も庭に出てしまいます。
数年前からそこにチューリップの球根も植えています。準備は前年の秋に行ない、ひと冬越えて春にいろいろな色合いのチューリップが咲き出すと、明るい雰囲気が庭中に広がり、幸せな気持ちになります。いよいよ花のシーズンが始まります。
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春の庭はブルンネラのブルーの絨毯からスタート
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チューリップが咲き出すと華やかに
食べるため、お茶にするため、眺めるため、それぞれの目的を持って庭にはさまざまなハーブを植えています。中でもレモンの香りがするハーブがお気に入りです。
レモン・柑橘系の香りがするハーブ
レモングラスは、トムヤムクンには欠かせない! 東南アジア原産のハーブです。
まだ20代の頃、トムヤムクンを食べてレモングラスの魅力にハマり、それ以来欠かさず育てています。稲の藁(わら)のような風味がかすかにするのには、親近感もわいてきます。
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レモングラスは、爽やかなグリーン調の柑橘香で人気が高い。触れるとさらに香ってくる
レモンバームも爽やかなレモンの香りがします。増えすぎて困る…といわれがちですが、エッセンシャルオイルになると「メリッサ」と呼ばれる大変貴重で高価なオイルに。
レモンバームは、若くやわらかい新芽をサラダに入れて食べるのが好きです。
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レモンバームは、栽培が容易なハーブの一つ。レストランなどでは、この葉の香りを移したお水が出てくることもある、意外と身近なハーブ
そして、レモンマートルは、葉に強いレモン香がある木質化するハーブ。葉をお茶にしていただくと風味が素晴らしいのと、繊細なつくりの花姿に惹かれ育てています。
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レモンマートル。ガラス細工のような繊細な花が魅力的
春から夏に向かう頃には、ハーブの花もいろいろと咲き始めます。ハーブは食生活だけでなく、暮らしの中での楽しみやガーデンの植栽として花や香りが癒してくれる植物。眺める、香りを楽しむ、暮らしに利用するなど魅力がいっぱいです。
花・香りのよい植栽に役立つハーブ
ニセコにある監修先のガーデンでは、宿根草エリアが年数を経て株が大きくなり、見応えが出てきました。絶え間なく花のリレーが楽しめるようになっていて、ハーブもたくさん混在しています。メンテナンスに行くと香りが漂い、作業中に楽しめるのも魅力です。
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エキナセアやアナベル、ルリタマアザミなどが咲き誇る監修先のガーデン。切り花にも、クラフトの花材にもなるハーブの花たち
初夏の頃になると、キャットミントやアルケミラ・モリス、アリウム‛丹頂’などが競うようにして咲き誇り、北海道のサマーシーズンを感じさせてくれます。背丈の高い組み合わせのコーナーでは、フェンネルが花を咲かせて実を付けると、三尺バーベナのピンク色の花とのコラボが楽しめます。
ガーデンシーズンが短い北海道では、咲くときは一気に、植物たちがじっくりと蓄えきた力を放出しているかのようです。
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左/初夏、ハーブの花々が勢いづくボーダーガーデン。丸い形状の花がアリウム‛丹頂’ 右/フェンネルと三尺バーベナのコラボレーション
アリウム ギガンチウムは大変人気が高く、この花を見るために足を運んでくださる方もいらっしゃいます。小花が丸く集まって咲き、大きな球体が宙に浮いているようなユニークなアクセントになってくれます。花が咲き終わった後もセピア色のシードヘッドが美しく、ほかの花とよく調和してくれます。
人気が高かったので、昨年の秋にたくさん球根を追加しました。今年が楽しみです。
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アリウムが主役の季節
つるを絡めて伸びていく植物も大好きです。幼少期から山林が遊び場だった私にとって、つるが木の枝葉にうっそうと絡んでいる姿には愛着があります。山で見つけた野ブドウやコクワ、野いちごなどはおやつでした(笑)。
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左/庭には、つる性植物も点在。写真はハニーサックル。夕方から香りが強まる 右/窓辺に咲くセンニンソウ。夏の終わりに向かって、真っ白な小花をたくさん付ける
庭で育てているハーブは、春はやわらかい新芽を摘み取り、旬のアスパラやカマンベールチーズを添えてライスサラダにしたり、夏野菜のシーズンにはフレッシュハーブをたっぷり刻んでハーブビネガーに使ったり、マリネドレッシングをつくり置きしたり、暮らしの中でハーブは必須アイテムになっています。
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春の野菜やベビーリーフ、ハーブの新芽を添えたライスサラダ
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夏野菜の定番トマトやナスをカットし、セロリやイタリアンパセリ、ディルなどのフレッシュハーブをザクザク刻んでつくるマリネ。これ自体がドレッシングになる定番レシピ。自家製のハーブビネガーが隠し味
南フランスに行ったとき、カフェで頼んだルッコラのサラダが予想以上に大きなボウルで出てきて完食できるか不安でしたが、えぐみがなくゴマの香りが爽やかでペロリとたいらげました。
暑く乾燥した夏の時期だったのに葉がやわらかいのは、どのような栽培方法で育てているのかと(遮光栽培? ハウス? 自動冠水システムが定番だから?)、いろいろ不思議に思いました。美食の国フランスは食料自給率が高い国、食材を扱う人々にも高い意識が備わっているのでしょうね。
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南フランスのカフェでオーダーしたルッコラのサラダ
パリの百貨店で見かけたスパイス売り場は、かなり広く種類も豊富。量り売りのコーナーもあり、あまり馴染みのないスパイスも並んでいたので何種類か購入してみました。じっくり見ていたら、時間がいくらあっても足りないくらい。
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左/パリの百貨店のスパイス売り場の種類が圧巻 右/スパイスを量り売りで購入できるコーナーも
雪が解けると気持ちにスイッチが入るのは、北国にお住まいの方々は同じでしょうか? お出かけしたり、庭いじりを始めたり、忙しくなりますが楽しみも増えますね。
私は、庭の写真や植物図鑑を眺めたりしながらシーズンの庭をイメージして、今からワクワクしています。
プロフィール
かりの あさの
herbarist・ハーブ研究家。北海道札幌市内に在住。ハーブやアロマの指導員などの資格を有し、30年以上植物と向き合い得た知識・経験をもとに、企業のアンバサダーや商品開発に携わる。また、さまざまな講座開催や公共の場での「みどりのまちづくり」のサポートなど、幅広く「ハーブのある暮らしの魅力」を伝えている。かりの あさのHP「ハーブまるごと活用生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「karinoherb」も。
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Facebook かりのハーブcom(ハーブ研究家)