2024/04/25 15:00
北海道生活

北海道 移住インタビュー|函館に移住し、事務所兼カフェをオープン

北海道の“このまち”に来るまでと、まちに移り住んでからの“暮らし”について、移住定住インタビュー。今回は、函館に移住して、デザイン事務所兼カフェをオープンしたデザイナーのお話。(本誌「北海道生活」 2023年12月3日発売・冬号 掲載)

【函館市】開拓史以前より貿易で栄え、今も歴史情緒が残る市街地があり、渡島半島東部は縄文史跡が世界文化遺産に登録されている。北海道の南に位置しているので比較的温暖。

vol.6 独立し開業、函館の西部地区にスタイリッシュな店舗を構える


藤井 拓(ふじい たく)さん

北海道 移住インタビュー|函館に移住し、事務所兼カフェをオープン

藤井 拓さん。函館に移住し2021年に独立開業、屋号「みそしる」。2022年には事務所兼カフェ「nel(ネル)」をオープン

力を抜いて暮らせる、函館のまちに出会う


市電が行きかう道路の目の前、函館の西部地区にスタイリッシュなカフェがたたずんでいます。周りを見渡すと、ハンバーガー専門店やコーヒーショップなど、ところどころ気になるお店が点在。「この物件を紹介してくれた『箱バル不動産』をはじめ、西部地区には地元を盛り上げようとする動きがあり、感度の高い移住者が増えてきているなと感じます」と語るのはデザイナーの藤井 拓さん。横浜市出身、東京のデザイン会社で働き、いつか独立をと考えていたところへ、妻の実家である函館市に移住という道が開けました。「全国的に有名な観光地ですが、意外と小さくてコンパクト。力を抜いて、無理なく暮らせるという気持ちにさせてくれるのが函館でした」。

コロナ禍で実現した、北海道での独立開業


函館は羽田空港から約1時間半、空港から市街地までも近く、「結婚して何度も妻の実家に通ううち、北海道といっても意外と近いんだなと感じました」。2019年に妻が里帰り出産、そこへ新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい、東京で暮らす藤井さんは外出すらままならない状況に追い込まれます。

「東京で暮らしていた三軒茶屋は、にぎやかで大好きなまちだったけど、繁華街なので子育てにはあまり向かない面もあり、住む場所について考えるようになりました。コロナ禍でリモートワークもできるようになったので、函館への移住を本格的に検討し始めました」。デザイナーという職業柄リモートワークにも向き、コロナ禍の一年間で、独立しても何とか仕事が成立するという手ごたえを得られたという藤井さん。2021年3月には独立して「みそしる」を立ち上げ、10月末に函館へ移住、翌2022年8月には事務所兼カフェをオープンしました。

北海道 移住インタビュー|函館に移住し、事務所兼カフェをオープン

事務所兼カフェのスタイリッシュな外観

デザインの仕事と、カフェ・子育てを両立


屋号の「みそしる」は、「温度を感じる、あたたかい仕事をしたい」という藤井さんの発想から。「味噌汁は具材を変えるだけで主役にもできる。デザインにこだわらず、面白そうと思ったことは何でもやってみたかった」。事務所兼カフェとしてオープンした「nel(ネル)」という名前は、アイディアや企画を“練る”という言葉から名づけました。

「東京でずっと飲食店の運営に携わっていた妻の経験も生かし、二人でできることを考えた時、事務所兼カフェにしたら出会いも広がって楽しいんじゃないかと思いました」。平日はデザインの仕事があるため、テイクアウトのみの営業。週末は夫婦二人でカウンターに立ち、妻の実家の協力もあって、子育てとカフェの運営を二人三脚でできるようになりました。

北海道 移住インタビュー|函館に移住し、事務所兼カフェをオープン

「nel」で提供する「アップルブランデーケーキ」はワインにも合うと評判。東京の専門店から仕入れる「チャイレモンティー」も大人の味わいに

函館に移住して、ますます広がる世界


東京の仕事をつづけながら、函館の仕事も増えていったという藤井さん。実際に函館で出会った人は、カメラマンやライター、クリエイターなどさまざま。自身の仕事もデザインに加えて、あらたにWEBサイト「函ノ湯」を立ち上げました。「この建物もコワーキングスペースで出会った建築士にお願いするなど、いろんな方との出会いで世界が広がりました。楽しめている、という実感があります」。

・WEBサイト「函ノ湯」

北海道 移住インタビュー|函館に移住し、事務所兼カフェをオープン

藤井さんはWEBサイト「函ノ湯」を立ち上げ、地元の人々にライターとして参加してもらっている

シンプルな店内は、藤井さんが出会った方々のアイテムなどを展示販売。週末になると椅子やテーブルを出し、昼からカフェをオープン。自然派ワインも提供し、時には仲間たちが集まる夜も。
「函館で出会ったユニークな人にゲストとしてカウンターに立ってもらう“ゲストデー”というイベントもやっています。ここがカフェ、自分が店主、と決めるのではなく、この場所が何でもできる∑箱®にしたいと思ったんです」と藤井さん。大都会から函館のまちに移住して2年足らずですが、その世界は思った以上に大きく広がっているようです。

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テーブルウェアや店で提供するノンアルコールドリンクなども販売

nel(ネル)

住所/函館市大町3-16

アクセス/函館市電大町停すぐ

営業時間/10:30~17:00(金曜・土曜は変動、SNSを確認)

※火~木曜はテイクアウトのみ

定休日/4日・月曜、祝日(臨時窮境あり、SNSを確認)

席数/6席

駐車場/なし 

カード利用/主なものOK

Instagram/@nel.hakodate



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