2024/05/02 11:30
北海道生活
ポタジェ|菜園が美しい印象になる‟支柱の活用法”
野菜を育てるとき、支柱は大切な道具の一つです。今回は、菜園が美しい印象になる支柱の活用法・秘訣をお伝え。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。
文・写真:藤井 純子さん(ピュア・ポタジェ代表)
野菜やハーブが育つ菜園が、ガーデンのように美しく見えたら素敵ですね。カラーバランスを考えたり、おしゃれな小物で装飾したりする方法もありますが、普段使っている支柱の立て方などに気を配るだけでも美しい印象の菜園になります。今回は、身近にある道具を使った、支柱の活用法・秘訣をご紹介したいと思います。
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スタチウムとカレンデュラの組み合わせは、元気が出るカラーコーディネート
菜園が美しく見える6つの秘訣
①計測しよう
計測するといっても厳密にする必要はなく、いつもより少し意識するだけでもガラッと印象が変わります。メジャーを使ってもよいですが、定植やタネまきなどは20~50cmに間隔を取ることが多いので、手のひらを広げた幅(長さ約20㎝)や移植ゴテ(30cm)を利用して測ると、道具を出したりしまったりする手間が省けるので効率よく作業できます。
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親指から中指までの長さはおおよそ20cm。人によって多少長さが違うので確認してみよう
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メモリのついた移植ゴテもあるので活用すると便利
②等間隔を意識しよう
ガーデニングでは自然な印象になるようにあえて不規則にレイアウトしますが、野菜栽培は、その植物に応じた株間が必要になります。そのためタネまきや定植するときは、前後左右ともにできるだけ苗の距離を等間隔にして規則的な配置にすると、全体的にスッキリと整った印象になります。
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同じ種類の苗を植える場合は、等間隔にするとスッキリとした印象に
③用途に応じて支柱を使い分けよう
野菜を育てていると、さまざまな場面で支柱が活躍してくれます。私の菜園では用途に応じて5種類を使い分けて使っています。支柱の種類を少なくすることで「どれを使おうか…」と迷うことがなくなりますし、支柱の高さを揃えやすくなります。
・長さ75cm 太さφ11mm
短くて細い支柱は、風よけのあんどんに利用したり、定植直後の苗がぐらつかないように添え木として利用します。たくさんの苗を植える場合は、その分支柱が必要になりますので、多めに用意しておくと安心です。
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風よけのビニールは、ピンと張るようにする
また、コマツナなどの葉菜類や直播する野菜は、タネをまいてから発芽するまでの間、何も植わってないように見えることもあり「うっかりその上を歩いてしまった…」という経験はないでしょうか?
そんなときは、紐(ヒモ)を張ってからタネをまくと目印にもなりますし、真っ直ぐに植えることができるので一石二鳥です。発芽するまでは支柱を挿したままにしておく安心です。
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紐を張っておくと、植えた場所が一目瞭然
・長さ150cm 太さφ16mm
草丈が1m程度のエダマメやオクラ、コットンなどを誘引したり、イラストのように植物が風で倒れないように四方を囲うとき150cm(太さφ20mm)の支柱が重宝します。後ほど詳しくご紹介しますが、サヤエンドウの支柱(φ16mm)にも利用します。
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エダマメやオクラ、コットンを囲うときは、耐久性のある太さφ20mmがおすすめ
・長さ210cm・240cm 太さφ20mm
つるありエンドウやつるありインゲン、トマトに利用します。植えたばかりの頃は小さいですが、最終的には2m近くまで生長しますし、相当な重さになります。地中に挿す長さを考えると、210~240cm、太さも20mm程度の支柱を使うと安心です。また、タネまきや定植するときに直線を見るときにも利用できます。
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タネまきするときは等間隔に支柱を並べ、その支柱を地面に押しつけると溝をつくることもできて便利
④支柱の直角や高さを揃えよう
風よけのあんどんは、できるだけ等間隔になるように意識しましょう。土に対して支柱を90度(直角)に挿し、支柱の高さも揃えるときれいな印象になります。
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少し気をつけるだけで整った印象に
⑤ヒモは短く切ろう
支柱と植物をヒモで誘引したときや支柱を結んだときの余分なヒモは、短めに切り揃えるだけで格段に印象が変わります。麻ヒモは、ナチュラルな雰囲気になるのでおすすめです。
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少し手間をかけるだけでガラッと印象が変わる
⑥タネまきの覆土や鎮圧を揃えよう
エダマメなどのマメ類、コマツナなどの葉物野菜をタネまきするときは、同じ深さになるようタネをまきましょう。土をかけるときも同じ厚さになるようにし、土を押さえるとき(鎮圧)も同じ力加減で押さえましょう。そうすることで、発芽のタイミングが揃うようになり、美しい印象になります。
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タネは同じ深さ、土は同じ厚さ、押さえるときは同じ力加減に
つる野菜やトマトの支柱の立て方
次に、“つるありエンドウ”と“つるありインゲン”の支柱の立て方をご紹介します。トマトをたくさん育てる場合もこの方法がおすすめです。
【1】
はじめに栽培位置を決め、約150cm(太さφ16mm)の支柱を地面に置きます。植物は成長するにつれて重くなるので150cm以上になると台風などで倒れやすくなるため、家庭菜園では150cm程度が栽培しやすいです。
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横棒に使う支柱を置く
【2】
土に挿す長さを考えて、長さ210~240cmの支柱を使用します。太さφ20mmの支柱を使用すると強度が出るので安心です。まず、【1】の支柱を目安にして5cmほど内側に縦の支柱を斜めに挿します。ぐらつかないように30~50cmほどを土に挿すと安心です。交差した箇所を紐で仮縛りしておきます。
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支柱はできるだけ同じ高さになるように挿す
【3】
仮縛りしておいた上部に、地面に置いた【1】の支柱を載せます。こうすることで、横の支柱が出っ張らず安全ですし、見た目もきれいに見えます。縦と横の支柱をヒモでしっかりと結んだら余分なヒモを短く切り、仮縛りしていたヒモを外します。
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上の支柱の長さを決めておくと、全体の長さもぴったりになる
[ 支柱立ての工夫 ]
・つるありエンドウの場合
つるありエンドウは、細かなヒゲが伸びて絡まりながら育っていきます。キュウリネットなどを利用する方法もありますが、片付けに少々手間がかかるため、我が家では剪定したジューンベリーの枝を利用して誘引しています。誘引の手間もかからずおすすめです。育ってきたら約30cm間隔で横にヒモを張ると強風で揺れて茎が折れるのを防いでくれますよ。
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剪定した樹木の枝を有効利用
![ポタジェ|菜園が美しい印象になる‟支柱の活用法”](https://sumahononakani.com/tjn/upload/img_reports/detail/364dec5b0ed31fb88a6b3a88de37bed2d18229b047ef58155aee43540233731b66286598ee3d0.jpg)
約30cm間隔で、横にヒモを張ると安定する
・つるありインゲンの場合
つるありインゲンは、エンドウと違い細かなヒゲは出ず、1本のつるが巻きつきながら生長します。そのため、タネまきする箇所ごとに支柱を立てるようにします。支柱の間隔を等間隔(20~30cm)にしてからタネをまくと、美しい印象になります。
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20~30cmの等間隔に支柱を挿す
![ポタジェ|菜園が美しい印象になる‟支柱の活用法”](https://sumahononakani.com/tjn/upload/img_reports/detail/2baf3083303697492c818910ebc67dc7dd9a4150a24ff78e07b0acf7e3759910662b708a16a72.jpg)
つるが自然と巻きついて伸びていく
タネまきや定植などの作業はついつい急ぎたくなるものですが、いつもよりほんの少し丁寧にするだけで、菜園全体の印象が変わるのはもちろん、植物も美しく育ってくれますよ。ぜひ試してみてください。
次回は、「ジャーマンカモミールの栽培と利用法」についてご紹介したいと思います。
プロフィール
藤井 純子
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。
HP ピュア・ポタジェ
Instagram pure.potager
YouTube ポタジェ『心と身体を癒す庭へようこそ』 @lifewithpotager401