2024/04/30 11:30
北海道生活

北海道の庭|今週の花(4月30日) 北国では春に咲くクリスマスローズ

札幌近郊の長沼町で暮らす走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」をお庭の様子とともに月2回 紹介していきます。手がけているお庭や植栽のこと、日々のできごとなどもお伝え。

撮影:走川 正裕 ・ 貴美   文:走川 貴美


北海道の庭|今週の花 北国では春に咲くクリスマスローズ

北海道ではクリスマスローズの開花は春。雪がなくなる3~4月頃から5月の初旬まで楽しめます。長い冬ごもりが解けて、花が首を持ち上げてくるのを見るのは、北海道のガーデナーにとって心躍る瞬間だと思います。
我が家では秋に古い葉を切り落とさないので、まずはそれをカットして、株周りをきれいにしてあげることから始めます。日差しを浴びたつぼみはすくすくと伸びて花を開かせます。うつむき加減に控えめに咲く姿は、何と奥ゆかしいのでしょうか!

北海道の庭|今週の花 北国では春に咲くクリスマスローズ 北海道の庭|今週の花 北国では春に咲くクリスマスローズ

うつむき加減に咲き、多彩な花色や咲き方で春の庭を彩る姿が魅力

日本ではヘレボルス属をすべてクリスマスローズと呼んでいますが、本来のクリスマスローズはヘレボルス・ニゲルを指す名前です。そのニゲルが咲くのがクリスマスの頃なのでそう呼ぶそうですね。
ローズと名前についていますが、ラナンキュラスやアネモネ、クレマチスなどと同じキンポウゲ科の植物です。クリスマスローズの花びらに見えるのは「萼(がく)」が変化したもので、ずーっとその姿を保ち続けます。咲き終わっても「がくが落ちない」ことから、縁起がよい花として‟合格の花”とも呼ばれています。

北海道の庭|今週の花 北国では春に咲くクリスマスローズ

花に見える部分は「萼(がく)」が変化したもの

クリスマスローズは半日陰の場所を好み、落葉樹の下などがちょうどよい加減になります。北海道では日なたでも育ちますが、ちょっとがっちりとした姿になります。

北海道の庭|今週の花 北国では春に咲くクリスマスローズ

我が家の庭。パーゴラの下に設けたテラスの脇に、春はクリスマスローズが咲く

北海道の庭|今週の花 北国では春に咲くクリスマスローズ

樹木の足元を彩るクリスマスローズ

花後はタネができる前にカットしてあげた方が、次の年に多くの花を咲かせることにつながります。その頃にカットしてあげた花は、切り花やドライフラワーにも向いています。咲き始めの頃の花は、切り花には向いていませんので注意。カットした花は水揚がり(水上がり)が悪いので、切り口の方を40~45℃くらいのお湯に浸けてそのまま冷めるまで待ち、そのあと深水に浸けると水揚げがよくなります。

また、株を増やしたい場合は、株分けよりもタネまきの方がよいのですが、なかなか同じ花は咲きません。私はタネを付けたままにしておいてこぼれダネで増やしていますが、どんな花が咲くかはお楽しみです。
管理としては、秋に肥料をあげるのと、春の花後にもお礼肥えを少し与える程度であまり手がかかりません。寒さにも強く、いろいろな花色が楽しめる北海道向きの花です。

春の庭ではいろいろな花が芽を出し、つぼみや花を付け始めています。庭が色とりどりの花で賑やかになるのはもう少し先ですが、ワクワクしますね。

プロフィール


走川 貴美

「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。長沼町に移り住んで9年目、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。




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