2024/06/07 15:30
北海道生活

ハーバルライフ|ニセコ「ヴィラ ルピシア」のガーデンで一年草の植栽

北海道・ニセコは爽やかな初夏の季節。今回は、ニセコ「ヴィラ ルピシア」のガーデンで行なった、一年草苗の植え付けや花選びについてなどをお伝え。
このコーナーでは、香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。

取材協力:かりの あさの さん(herbarist・ハーブ研究家)



カッコウや春蝉が鳴きはじめた5月下旬、監修先のニセコ「ヴィラ ルピシア」のガーデンで、一年草類の花苗の植え付けを行ないました。一年草は開花期が長く、安定した華やかさを維持してくれるので大事な植栽です。毎年この時期に、一年草類を花壇に追加するような感じで作業を行なっています。

ガーデンでは、チューリップが一段落すると宿根草が順調に成長中してくるのですが、この時期はまだ株が茂るばかりで、花色も少ない印象です。
宿根草はアルケミラ モリスやキャットミント、チャイブ、アナベルなどのガーデンには定番のハーブや低木と、春に咲くチューリップ、水仙(スイセン)、アリウム ギガンチウムや‛丹頂’などの球根類がメインのため、主に駐車場のボーダーガーデンで、春の球根花が終わってから数種類の一年草を加えます。

ハーバルライフ|ニセコ「ヴィラ ルピシア」のガーデンで一年草の植栽 ハーバルライフ|ニセコ「ヴィラ ルピシア」のガーデンで一年草の植栽

植栽する前のボーダーガーデンの様子。チューリップなどがひと段落し、宿根草が成長中

また、レストランの入り口エリアにも宿根草などが植えてありますが、訪れた方々がじっくり見て楽しめるようなエリアでもあるので、駐車場のボーダーガーデンに植栽していない、ヤロウ、リシマキア、リグラリア、ルリタマアザミ、フロックス、エルダーフラワーなどの植物をアクセントに入れてあります。

駐車場のボーダーガーデンと、レストラン入り口のどちらの花壇にも一年草の追加植栽を行なうため、スタッフや関係者の皆さんが10名以上も集まって、朝から一緒に作業を行ないました。

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スタッフや関係先の方々と一緒に作業スタート! 10名以上の皆さんのご協力で順調に作業が進む

作業のスタート時は霧雨が降ったりやんだりのお天気でしたが、やがて晴れ間が見え、心地よい風を感じられる作業日和となりました。

植え込みの手順や作業スケジュールなどをひと通り説明して、その後は和気あいあいと、きれいに咲くガーデンの姿を思い浮かべながら作業しました。

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一年草の植え込みの様子。和気あいあいと楽しく作業を行なった

今回追加した一年草は、三尺バーベナ、スーパーサルビア、白花の切花用マリーゴールド(背丈があり見応え抜群)、ジニア、バーベナ バンプトン。
レストラン入り口のエリアには、さらにネメシアやスーパーアリッサムなど足元を華やかに演出するものや、壁面を這うつる性のコバイエやツンベルギアなど、お客様からも好評の種類をチョイスして植えました。

ヴィラ ルピシアのガーデンは、基本的に宿根草をベースとしていますが、背丈が高くボリュームが出る一年草をメインに追加で植えて、秋まで花が途切れないように植栽デザインしています。
どの植物も丈夫な性質のものを選んでいますが、これはメンテナンスの手間と負担を減らすためでもあります。

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スーパーサルビア。淡いブルーの花色がガーデンの雰囲気を涼しげに演出

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ジニアは、背丈が高くなるものを種類加えている。開花が進むと花の姿や色味が変化するので人気

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白花のマリーゴールド。背丈が高くなり、切り花にも利用される品種。白い花はカラーコーディネートには欠かせない

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ネメシア。足元の彩りに重宝する花。花びらに入るピンク色と銅葉のューケラのコラボは私のお気に入り

また、花だけではなく、ガーデンにはお料理や飲み物にシェフが利用できるよう、食用ハーブやエディブルフラワーもあちらこちらに植栽しています。モヒート用にフレッシュなミントもありますし、ガーデンで育つハーブがランチやディナーのお料理に添えられるのは嬉しい限りです。

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モヒート用に、シェフからスペアミントのリクエスト

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ローズマリーの香りは食欲をそそる。お肉料理やジャガイモとの相性もよい

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オレガノの新芽は香りがよい。トマトとの相性抜群。可愛い小花も咲かせる

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イタリアンパセリ。香りがまろやかで、ミネラルが豊富な香草。お料理の付け合わせにおすすめ

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フェンネルは、繊細なレースのような葉の姿。大型になるハーブで、2mくらいに成長。魚料理やピクルスに

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チャイブの花が咲き始めている。甘いネギの香りで、花も利用できる

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シェフのお気に入りのハーブの一つ、ラビッジ。セロリのような香り

一年草を追加した花壇は、彩りが増しました。これから気温の上昇とともに、大きく育ってくれると思います。
今回、参加された皆さんには植え込みのほかにも、除草や宿根草の植え替え、追肥や摘芯など、普段なかなか手が回らないところも一緒に作業を行なってくれて、一気にガーデンがきれいになりました。感謝しかありません。

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一年草の追加後は、花壇が華やかに。ワイヤーにはつる性のコバイエやツンベルギアなどが伸びてくる予定

そのほかガーデンの植物の様子はというと、数年前に植えたラズベリーが成長して、今年実を付け始めています。また、今シーズンからホップの鉢植えも登場し、順調にいけば大きく伸びて、松かさのような姿のホップの実を見ることができるでしょう。実はビールのような香りもしますよ。

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ホップの鉢植え。こんな小さな苗が、つるをグングン伸ばし屋根まで届くほどになる

作業が終わってから、レストランのシェフが腕を振るうランチを皆さんと一緒にいただきました。
ヴィラ ルピシアは、レストランとブティック、デザインギャラリーがあり、食事やデリ、パンやお茶のほか、クラフトビール、ソフトクリームなども楽しむことができる空間です。レストランにもブティックにも、居心地のよいテラス席があるので、ガーデンの様子を眺めながら過ごすことができますよ。

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メイン料理にサラダなどが付いたランチ。地元で採れた新鮮野菜のサラダとルピシアの紅茶、パンもとてもおいしい

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メインにお肉料理を選んでみた。ルスツ豚 肩ロースの香草パン粉焼き ニセコじゃがのリヨン風

これからがガーデンのメインシーズンに入る北海道。ニセコにお出かけの際には、ヴィラ ルピシアにも立ち寄ってみてくださいね。

プロフィール


かりの あさの

herbarist・ハーブ研究家。北海道札幌市内に在住。ハーブやアロマの指導員などの資格を有し、30年以上植物と向き合い得た知識・経験をもとに、企業のアンバサダーや商品開発に携わる。また、さまざまな講座開催や公共の場での「みどりのまちづくり」のサポートなど、幅広く「ハーブのある暮らしの魅力」を伝えている。

・かりのあさの lit.link(リットリンク)https://lit.link/karinoasano

HP「ハーブまるごと活用生活」、Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「karinoherb」をまとめて掲載中



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