2024/06/25 14:30
北海道生活
今週の花(6月25日) バラの季節
いよいよ開花を迎えたバラの季節。今回は、我が家の庭に咲くバラの姿をお伝えします。
札幌近郊の長沼町で暮らす走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」をお庭の様子とともに月2回 紹介していきます。手がけているお庭や植栽のこと、日々のできごとをお伝え。
撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美
北海道もいよいよバラの季節、庭が日々賑やかになってきました。朝寝坊の私も、朝日の中の庭を覗くのが楽しみな日々です。
我が家の庭。奥のエリアの花壇のバラが咲き出し、華やかさを増してきた
先々週、九州から花好きの友人夫妻がいらして、4泊5日で道内のあちこちを一緒に見て回りました。春先があたたかかったので、北海道各地のガーデンも6月中旬にはよい頃では…と予想していたのですが、ちょっとだけ早かったです。そんな中で、旭川の「上野ファーム」さんは花の種類が豊富なので、訪ねたときにもよい花風景が見られました。
ただ、翌週から開花状況がどんどんよくなってきたので、「慌てなければよかった…」と今になって悩んでいます(苦笑)。
さて、現在の庭の状況はというと、シャクヤクやボタン、ジャーマンアイリス、パパベルなどが終盤を迎え、バラが咲き始めています。
宿根草の間に少しずつバラを配置しているので、数はそんなに多くありませんが、写真を撮りながら見て回るとピンク系のバラが多いですね。宿根草の花がブルーや紫色が多いため、それを考慮するとバラはピンク系になります。また、私が赤や黄色の花色が少し苦手で、扱いづらいというのもあります。
宿根草との相性もよいピンク系のバラから、まずはいくつかご紹介します。
ヘリテージ。甘く愛らしい雰囲気のピンク色の花、つぼみも可愛い。イングリッシュローズ
ザ ウェッジウッド ローズ。優しいピンクから中心は濃くなる花色、少しうなだれるようにして咲く。イングリッシュリーズ
ボサノバ。形の整った、愛らしいピンク色の花。香りはないけれど丈夫な品種
メイヤー オブ キャスターブリッジ。淡いピンクのコロンとした花姿、濃い香り。イングリッシュローズ
サクラバラ。薄ピンク色の花は桜のような風情がある
ペネロペ(ペネロープ)。優しいピンクがのる花色と黄色いしべも可愛らしい
我が家で数少ない黄色系のバラは、クラウン プリンセ スマルガリータとグラハム トーマス。それから、鮮やかな赤い花のノックアウト。ノックアウトはとても丈夫で、意外と目を引くアクセントになってくれています。シックな赤色系のバラは、落ちついた雰囲気で引締め役にも。
クラウン プリンセ スマルガリータ。少し落ち着きのある黄色~オレンジ系の花。イングリッシュローズ
グラハム トーマス。開花すると鮮やかさを増してくる。黄色系のバラでは意外と丈夫な品種。イングリッシュローズ
ノックアウト。明るい鮮やかな赤花が大変目を引く
ジェームス ヴィッチ。シックな赤紫色から褪色して青紫系に。色調の変化が美しい品種
ウイリアム シェークスピア2000。やや落ち着いたクリムゾンレッドの花色から赤紫色になる
ピエール ドゥ ロンサールはここ長沼では寒さが厳しいらしく、長くつる伸ばしてくれません。そのため、数年前から玄関の壁側に低めに沿わせるようにしたら、今年は結構咲いてくれました。つるアイスバーグもつるにはならず、低い位置だけで咲いています。それでも、咲いてくれるのは「ありがたい!」ものですね。
ピエール ドゥ ロンサール。つぼみから、咲き始めの花の姿が可愛らしい
つるアスアーグ。こちらも咲き始めの美しい姿。雨つぶがしっとりした雰囲気
つるバラはまだ満開になっていなくて、現在は、日当たりのよいエリアで2~3割程度の花を付けている感じです。咲き始めの様子もきれいですけどね。
つるバラは満開まではもう少し。上/リビングからも眺められるフロントガーデン 下/奥の庭のパーゴラ。ベンチを置いて、ここから庭を眺めるのがお気に入り
そのほか、バラと一緒に咲いている宿根草は、ジキタリス、デルフィニウム、アンチューサなど。お友達に人気の宿根スイトピーは、濃いピンクの品種が最初に咲き出し、順に薄ピンクの種類が咲き続きます。ハニーサックルも咲き始めました。この花が咲くと、庭に甘い香りが漂います。そのせいか、ミツバチやモコモコとしたお尻のマルハナバチがせっせと庭に通ってきて、庭中の花の蜜を運んでいきますよ。
ジギタリス。背が高くなり、ベルのような下向きの花を穂状に咲かせる個性的な姿。風に揺れる様子が素敵
ブルーの花色が涼しげに庭を装ってくれる。左/デルフィニウム、ブルーの花色を好んで植えてる 右/アンチューサ、可愛い小花を付ける
左/オリエンタルポピー‛パパベル’。ひらひらとした大きな花びらで、ケシ科の独特な表情を持つ 右/宿根スイートピー。宿根草のつる性植物で、マメ科の個性的な花姿が特徴
個性的な花姿のハニーサックル。玄関脇に植えており、甘い香りが漂う
シャクシャクの花も見事です。大きな花は、バラにも負けない豪華さがあります。花色は、濃く鮮やかなピンクから優しいピンク色、清楚な白花といろいろです。
幾重にもなる大輪の花、優しいピンクの花色が美しい。シャクヤク‛サラ ベルナール’
気温が上がれば花もよく咲くけれど、雑草もよく生えてきますね(笑)。毎日少しずつ草取りしていますが、なかなか追いつきません。
花壇などの植栽エリアは、ほぼ植物で覆われているので草取りの手間も少なくて済むのですが、ちょっと隙間がある所から出てきます。レンガの隙間にも。野菜畑も同様ですが、表土が多く出ていますし、肥料分もたっぷりなので、すざまじい勢い。気長に主人と二人でせっせと草取りをしていますよ。
先日は「夏至」でした。日が長いので、庭に出ている時間も長くなりますね。「この季節を十分に楽しみたい!」と思います。
花より団子…ともいいますが、コーラス仲間と夜の庭でバーベキューや、週末には花書仲間とアフタヌーンティーと、楽しみがいっぱいです。
仲間が集まってBBQやアフタヌーンティーなど、昼間も夜も楽しみがいっぱい
プロフィール
走川 貴美
「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。長沼町に移り住んで9年目、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。