2024/07/09 13:30
北海道生活
今週の花(7月9日) 満開のつるバラ
気温の上昇とともに、つるバラが咲き進みました。今回は、つるバラが咲く庭の風景をお伝え。
札幌近郊の長沼町で暮らす走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」をお庭の様子とともに月2回 紹介していきます。手がけているお庭や植栽のこと、日々のできごとをお伝え。
撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美
気温の上昇とともに、つるバラが満開に、咲き進んでくれました! 我が家には大きなつるバラが7カ所に植えてあります。フロントガーデンに2カ所、奥の庭に5カ所です。
フロントガーデンのポールズ ヒマラヤン ムスク。アーチを覆って満開に!
庭の入り口から入るとすぐ左に、ポールズ ヒマラヤン ムスクが大きなアーチをつくっています。寒さにとても強く、丈夫で育てやすいバラです。ただし、非常に大きくなるためスペースを必要とします。咲き始めはピンクの花色で、徐々に白く退色していきます。はらはらと花びらが散る様子もきれいで、足元に真っ白な絨毯のように広がります。
花弁が小さいので掃いて集めるのは大変だと思いますが、我が家では、敷き詰めてあるチップの間に自然に吸収されていっているようで、そのまま放置しています。それで、しばらく散った白い花びらの風景も楽しんでいますよ。
ポールズ ヒマラヤン ムスクは、咲き始めはピンク色。たくさんの花を付け、白くなっていく花と交じり合う
フロントガーデンでもう一つ咲くのは、ツクシイバラです。リビングの窓から真正面に見える場所で、濃いピンク色の花が華やかなバラです。しかし、昨年出てしまったさび病の影響が今年も続いたため、つぼみのある枝も短くカットし、まばらに咲いている状況です。咲き終わったらすべて刈り込んで風通しをよくし、来年に備えようと思います。
ツクシイバラの周りには、クレマチスもアーチをつくるのですが、残念ながら少しタイムラグができてしまっています。バラのピンク色の花と、濃い群青色のクレマチスのコラボレーションが見たいのですが、なかなかうまくいきませんね。
リビングの窓から正面に見える、ツクシイバラ
こんなに濃く鮮やかなピンク色の花
また、奥の庭には、原種のロサ ムルチフローラが3本あります。ふんわりと傘のように広がるもの、ベンチの上のパーゴラを覆うもの、木製のアーチに片側から流れるように咲くものです。花後には小さなローズヒップもたくさん付きます。秋にはローズヒップのリースをつくりたい放題です。こちらも原種ですから、寒さにも病害虫にも強い優れもの。一番先に咲き始め、ほかのつるバラが楽しめる頃には花を落としています。
ロサ ムルチフローラ。枝を伸ばし、白花がふんわりと咲く
ベンチの上を覆って咲く。前回よりも、バラも宿根草も咲き進んだ
奥の庭の中央には、大型のパーゴラに絡ませたポールズ ヒマラヤン ムスク。大きく伸ばした枝が、枝垂れるようにして花を咲かせ、下を通るとよい香りもします。バラのトンネルの中から、枝越しに四方に広がる庭を見るのが好きです。
ポールズ ヒマラヤン ムスク。中央に設けた大型パーゴラに枝垂れようにして、たわわに花を咲かせる
本当は、奥の庭にもう1カ所、ポールズ ヒマラヤン ムスクを植えてあるのですが、針葉樹が伸びすぎて日陰になってしまい、今は細い枝がひょろひょろと伸びている感じです。
ロンドンの「リージェントパーク」にあるクィーンメアリーズガーデンのように、ロープに絡ませて、自然にたわむバラを見たかったのですが…、失敗しました。木(針葉樹)を切るか、バラを諦めるか、未だ決断できずにいます。
最後の一つは、ロサ ムリガニーです。「シシングハースト キャッスル・ガーデン」の白いバラの風景でも有名な品種ですね。例年ですと7月はじめに咲き出すのですが、今年は少し早く咲き始めました。このバラも生育旺盛で、幅・枝の長さともかなり大型になって、覆うように咲きます。とにかく旺盛に成長するため、我が家では枝をットし、枝数を少なくしています。
以前、このバラとフジ、野ブドウをパーゴラいっぱいに張りめぐらせて冬を迎えたら、見事に棚が陥没しました。それ以来、枝数を調整して隙間をつくるように気をつけています。
ロサ ムリガニー。生育旺盛で大型のつるバラになるため、枝数を調整している
花はシンプルな一重、中輪程度。花芯・しべの黄色と、白い花の取り合わせが可愛らしい
そのほか、寝室の窓辺を装うピエール ドゥ ロンサールは、朝起きて目にする花の様子がなんとも優雅な気持ちにさせてくれます。
室内から撮影したピエール ドゥ ロンサール
バラの開花に続くように、宿根草も次々と咲き出しています。四季咲きのバラとのコラボレーションや、順に咲き続いていく庭の様子を楽しみたいと思います。
また、菜園の野菜もぐんぐん成長しているので、ミニトマトやキュウリなどの夏野菜の収穫が楽しみです。
バラに続いて、次々と咲き出す宿根草の風景を楽しみに――
プロフィール
走川 貴美
「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。長沼町に移り住んで9年目、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。